ルイ14世の財務卿ニコラ・フーケのためにルイ・ル・ヴォーが設計した、17世紀建築の傑作、ヴォー・ル・ヴィコント城は、1661年8月17日に太陽王を招いて完成式が盛大に祝われました。ところが不幸にも、ニコラ・フーケは、野心的すぎたために、そして何よりも、このような見事な城を建てたがために、3週間後に王の命令によって逮捕され、終身刑の身となりました。この城の壮麗さから着想を得て、その後、有名なヴェルサイユ宮殿が建設されたのです。
マンシーにあるヴォー・ル・ヴィコント城は、保存状態が素晴らしく、見学者に、当時の装飾者、シャルル・ル・ブランにより厳選された家具、タピスリーや美術品のある華麗な居室群を披露してくれます。なかでも最も感銘を受けるのは、大広間、王の寝室、ミューズの間、食堂などです。ヴォー・ル・ヴィコント城では、地下のワイン貯蔵庫や、有名な調理人ヴァーテルがかつて給仕長を務めた厨房も見学でき、また見事な屋根組みのある城のドームの頂上に上って公園の素晴らしい風景を眺めることもできます。
城の堀の前には、散歩をするのに理想的な、ル・ノートルが設計した見事なフランス庭園が広がり、幾何学模様の花壇、泉、洞窟、滝、優美な彫像など、見事な風景と眺望の連なりが、公園や庭園を愛する人たちの目を存分に楽しませてくれます。夢見心地になるでしょう…
城の敷地を離れる前に、付属の馬車博物館で、18世紀、19世紀の美しい馬車や、馬具、4輪馬車の美しいコレクションを見学するのもお忘れなく。
5月から10月の土曜の夜には、キャンドルの夕べという催し物が開かれ、宮殿と庭園が数え切れないほどのロウソクで照らされます。とても幻想的な時間…
