マレ地区やサン・ジェルマン・デ・プレ、モンマルトルと共に、カルチエ・ラタンは、フランスの首都を訪れる観光客たちに最も人気のある場所のひとつです。フランスで最も有名な大学のひとつであるソルボンヌがあるのは、このセーヌ河左岸の、5区と6区の歴史地区で、その構内の、枢機卿リシュリューの墓所がある17世紀の礼拝堂を見学できます。大学やグラン・ゼコール、古い書店やギャラリーなどが集まる、この驚嘆するほどの文化的芸術的豊かさが、この地区の独特の雰囲気を作り出しています。ここでは、住民と学生、観光客が、一年を通じて最も活気のある雰囲気の中で毎日すれ違います。
サン・ミシェル大通りに並ぶカフェやレストランでの寛いだ休憩時間やさまざまなブティックでショッピングを楽しんだ後は、カルチエ・ラタンで最も美しい、豊富な観光スポットをみつけに行きましょう。どの通り道を選んでも、それぞれの場所に、古代から中世、そして現代までのパリの歴史のさまざまな側面を発見できます。そういうわけで、左岸のこの付近で最も絵になる観光向けの場所のひとつ、サン・セヴラン地区から始めましょう。中世的な特徴と魅力を持つ、ガランド通りやユシェット通り、アルプ通り、あるいはパルシュミヌリ通りが別の時代に入り込んだような錯覚を起こさせます。ここにはたくさんの商店やレストランと、パリで一番細い通り、シャ・キ・ペッシュ通りがあります。二重の周歩廊と見事な古いステンドグラスのある、美しいサン・セヴラン教会があるのもこの地区です。少し離れたところには、サン・ジュリアン・ル・ポーヴル教会と、併設された静かな隠れ家のような魅力的な広場があり、そこからノートル・ダム大聖堂を遮られずに眺めることができます。
カルチエ・ラタンを歩き回れば、フランスの偉人たちが祭られているパンテオンや、ガロ=ローマ時代の公衆浴場、華麗なクリュニー中世美術館、リュテス円形闘技場、有名なサン・ミシェル広場の噴水、とても気持ちの良い植物公園など、パリの主な史跡の前も通り掛かるでしょう。
夜には、名画座や劇場、コンサートホール、老舗キャバレー「パラディ・ラタン」や伝説的なジャズクラブ「カヴォー・ド・ラ・ユシェット」などで、カルチエ・ラタンは最も美しく活気づきます。
帰途につく前に、絵のようなムフタール通りに寄るのもお忘れなく。たくさんの商店やレストランが並ぶ通りをぶらつき、賑やかなコントルスカルプ広場のカフェのテラスで一杯飲むのも楽しいものです。